紋と温子

投稿日:2008/07/18(金) 23:48:54 ID:hkiX+0iB


「…でも、今日の締めは壮絶だったねー!…笑っちゃいけないんだけど、でもなぁ」
「そうね…阿久津君、相当ショックだったみたいだけど…大丈夫かしら」
「あっ分かった、あれはあたしの事騙した罰よっ、罰!」

7月7日、夜。
佐渡ケサ・あいす宅で開催された大騒ぎの七夕会がお開きになった後、
紋・温子の二人は二次会と称して、紋の自宅でのんびりとくつろいでいた。
部屋には紋のホラーなコレクションがずらりと並んでいるのだが、温子は特に気にする風でもなく
ポテトチップスをちょっとずつかじっている。
流石と言うか何と言うか、大量の人形が見つめる部屋如きではもう驚かないらしい。

「あたしだけじゃなかったのは本当安心したわ、っていうか結構近くにいるものなのね」
ジョジョ意外に共通点を見いだしたからか、互いに引き寄せ合うドラゴンガールの性質か。
変わり者の2人は少しづつ、話す機会を増やしていた。


「――でも、三人揃うともっとなのよね」
「あはは、あの共鳴はスゴかったねー」
「おばあちゃん、とっても喜んでたわよね…っ、ふふ、思い出しちゃった…!」
「もーホント良いキャラだよね佐渡さんのおばあちゃん!ハッスルって感じ!っていうかTシャツ…っ!」

バンバンと床を叩きながら、思い出に浸る。

「阿久津君ヒドいよねーっもー!」
「うふふ、でもあのときの麻仁さん、ちっちゃい子みたいで可愛かったわよ」
「あああー、恥ずかしい…!いつか会えるといいなあ…丈太郎さん」
「か…叶うといいわね。わたしの願いも叶わないかしら…百手君を…あの可愛らしい姿をずっと、ずっと目に留めておきたいの……!」
紋の身体からもわもわとピンクのオーラが立ち上がる様子をものともせず、温子も楽しげに夢を語っていた。


ひとしきり笑った後、会話が途切れる。けれど、喋らなくても通じ合う空気がそこにある。
じいっとお互いを見る、楽しそうな目配せ。
人に相談し辛い秘密を共有する友人が出来た事が、素直に嬉しかった。

「笛路さーんっ」
「なあに、麻仁さんっ」
きゃー、と笑いながら抱き合う二人。女子特有の脈絡の無いスキンシップは親愛の証なのであり、
特に深い意味も無く、いつもの様にぺたぺたとお互いを触りまくっていた……の、だが。

「あら…?また胸が…」
「なんだろ…なんか、じわじわ来るよね」

何だかいつもと勝手が違う。

(性格はディ・モールト女らしくて可愛いんだけど、こうしてみると、やっぱりカッコいいなーと思う。
いいなあ。私ももうちょっと大人っぽくて背が高ければ、もっと除倫に近づけるかもしれないんだけどな。)

無いものねだりの憧れは、ドラゴンガールとしての同調以外の何かを呼び起こした。
自分が小動物にでもなったかのような気分で、相手にきゅうきゅうと抱きついた。
上半身はほてって力が抜けているのに、脚と腰は不自然に力む。

「………んーっ……」
「……な、なんか……麻仁さん……あの」
服越しに当たるお互いの乳首は共鳴現象と相まって立ち上がり、じんじんともどかしい疼きが走る。

あ、女の子って、柔らかくってきもちいい。寝心地よさそう。
二人は甘える子猫の様に、身体を押し付けて擦り寄せ合った。


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