女体化玲夜

投稿日:2007/10/21(日) 17:06:57 ID:TSqaTrXw


一人で使うには広すぎる部屋の中。備えつけの大きな鏡の前に立って、僕は溜め息をついた。
そこには僕とそっくりな顔をした女の子がいた。


僕の通うドキドキ学園高校には学園長をはじめ間界人がたくさんいるから、毎日必ず何かしらの事件が起こる。
太臓と悠が転校してきてから、その回数は確実に多くなっている。まぁ、彼らには助けてもらったこともあるけど。


でもさすがにこれはないと思う。僕の胸には二つの膨らみ。せっかくだから少し触ってみる。


(何これ。すごくやわらかい)
こんなにやわらかいもの触ったことがない。例えるならゴム鞠?それで結構大きいほうだと思う。
元会長には及ばないけど、佐渡さんよりは絶対に大きい、って佐渡さんに失礼だよね。ごめんね、佐渡さん。


そんなことをしていると僕はあることに思い至った。


(姉さんのもこんなにやわらかいのかな?)
僕の顔は真っ赤になる。急に胸の脂肪のかたまりが神聖なもののように思えてきた。
と同時に忘れかけていた罪悪感が僕を襲った。


僕は一回だけ姉さんのエッチな妄想でしたことがある。お手伝いさんが畳んで持ってきてくれた洗濯物の中に姉さんの服が混じっていて、
いけないと思ったけど匂いを嗅いでみたら花のような姉さんの匂いがして。そのままベッドでしてしまってすごく後悔した。
純粋できれいな姉さんを汚してしまった罪の意識で、僕はしばらく姉さんの顔をまともに見ることができなかった。


僕は自分が怖い。大好きな姉さんは僕と同じ家に住んでいて。僕はいつか本当に姉さんを穢してしまうかもしれない。
もしそんなことになったら姉さんは僕のせいで傷ついて二度と会えなくなってしまうだろう。
僕にとって姉さんと一緒にいられなくなるのは死ぬほどつらい。でも、姉さんが傷つくのを見るのは死ぬよりつらいだろう。


皮肉にも今の僕の体なら姉さんを傷つけることはない。案外僕はこのままの方がいいのかも。


でも、新しい体にはまだなれない。半日も経ってないんだから当たり前か。声は少し高くなったけど女性にしてはハスキー。
声と胸以外はあまり変わってないみたい。認めたくないけど、もともと僕は女の子と間違われることが多かったから。
小さいころは仕方がないと思うけど高校生にもなってそれは正直酷いと思う。そういえば学ランを着ているのに間違われたこともあった。



僕は改めて鏡を眺めた。そこにいるのは女の子の僕。姉妹なのにぜんぜん似てない。姉さんの方が断然美人だ。
そして見たことないけど、ここも姉さんの方が絶対に豊かできれい。


いつのまにか僕の手は制服のシャツをくぐって、胸を触っていた。


(だめ……いけない……)
さっき反省したばかりなのに。僕は姉さんの体を思い浮かべながら、胸に顔をうずめて両手で乳首を弄る。


「はぁ……んっ」
鼻にかかったような声が出て僕は驚いたけど、手は止まらないし声も抑えられない。とても気持ちよくて。
女の子ってこんなところが気持いいんだ。皆触っているのかな。姉さんはしないよね。でも、もしかして。


僕は体温がいっぺんに上昇した気がした。何だか汗もかいていて気持ち悪かったので、僕は中断して着替えることにした。


ズボンを脱いで下着に手をかけたとき、僕は違和感を抱いた。


(濡れてる?)
下着を脱いで、恐る恐るそこに手を伸ばして確認する。僕の指には透明な粘液がついていて、それが糸を引いていた。
精液とは濃さが違う。


「……」
僕は鏡に向かって座った。どう考えてもその行動は普通じゃなかったけど、僕は好奇心に勝てなかった。


そして次の瞬間、僕は固まった。


(何、これ)
保健の授業で習ったことがあるけど、教科書に載っていたのと少し違う気がする。ピンク色なのは前と変わらない。
でも形が問題だった。アワビに似ている。やめよう、アワビ好きなのに食べられなくなってしまいそう。
ここに入れるんだろうか。普段見慣れているアレを。


指で周りをなぞってみる。本当に今日の僕は普通じゃない。といっても体自体が普通じゃないんだけど。
人差し指がコリッとした感触の豆のようなものに行きあたった。実は鏡に映したときから気になっていたんだけど、これは何?



それを軽く押してみる。ついでに元の体にしていたように擦った。


「!!!」
僕の体に電流が走った。今のは何?知っているけど知らない。頭が混乱してきた。とにかくこんなに強い快感を僕は知らない。
女の子ってこんなに気持ちのいいことをしているの?うらやましいかどうかはわからない。だって僕には刺激が強すぎる。


「あ……あっ……姉さん……!」
姉さん、姉さん、と僕はうわ言のように繰り返す。


想像の中で攻めたてるのは僕。
「あっ……やあっ……!」


そして受け入れるのも姉さんになった僕。


あまりの快感にそこを擦る指が止まらない。


「あっ……あ……あああっ!!!」
頭の中が真っ白になる。イった?一瞬ものすごく気持ちが良くなって、下腹が震えたけど、精液が出ないからよくわからない。
鏡で見ると、そこがまるで口みたいにパクパクとせわしなく開いたり閉じたりしていた。


僕は呆然とそれを見つめ、やがて意を決して収縮を繰り返す隙間に人差し指を入れた。


「っ!」
今の僕はまぬけ以外の何者でもないと思う。あまりの痛みに第一関節まで入っていた指を引き抜く。ジンと痺れた感覚がした。


(もうやめよう)
痛みで気持ちが萎えたというのもあるけど、そのとき僕は頭の中で姉さんになっていたから、姉さんが痛がることをこれ以上続けたくなかった。
まったく変な理屈だと僕自身思う。


僕はのろのろと制服を着る。今の行為に何の意味があったんだろう。自分に姉さんを重ねて。結局独り相撲だ。
自慰行為だからそれも仕方がないけど。


僕は急に胸が苦しくなった。この胸の痛みはたぶん姉さんを再び汚してしまったことへの罪悪感。


突然自分の心に降って湧いた疼きに適当な名前をつけて、僕はバスルームに向かう。汗をかき過ぎていた。


(さっきのことは忘れよう。もう二度としない。姉さん、ごめんね)


僕がバスルームの引き戸を開けると、姉さんが湯船につかっていた。


「う、うわっ、ごめんなさいっ!!!」


しまった!ぼーっとし過ぎていた!


僕が混乱した頭で謝る間、姉さんは不思議そうな顔で僕を見ていた。僕が慌てて出て行こうとすると、姉さんが意外なことを言った。


「玲ちゃん、一緒にお風呂に入ろうと思って待っていたのよ?」
妹ができたみたいでうれしいな……って姉さんは無邪気に笑った。


広いバスルームで、姉さんに体を洗ってもらったり、洗ってあげたりする間、僕は恥ずかしくて姉さんの顔を見ることができなかった。
そんな僕を見て、姉さんは、玲ちゃん、のぼせちゃった?なんて、その鈴が転がるような声で聞いてくる。


(もう、純粋すぎるよ……)
やっぱり僕は姉さんを傷つけたくない。でも。僕はさっきしたばかりの決意がグラグラと揺れるのを感じた。


僕は今夜もしてしまうかもしれない。

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